パッシブデザイン

目指すのは「ずっと心地よい暮らし」。
愛着を持って永く住み続けるための家づくり。

1. 寒い日本の家

室温基準なく世界から遅れる日本

室温が住む人の健康に大きな影響を与えることが世界では常識となっており、欧米諸国では室温に対する規制が当たり前になりつつありますが、日本ではこのような法令は見当たりません。早く・安く・多く建てるということを求められてきた日本の●●●
外国の方が日本に来て、家の寒さに驚くという話は珍しくありません。

イギリスでは住宅における全室の温度の最低基準を18℃としている。/ドイツでは室温19℃以下は「基本的人権を損なう」と規定。/WHOは住む人の健康を守るために安全でバランスの良い室温は18℃と強く勧告。

寒い家は危険 〜ヒートショック〜

ヒートショックとは、温度差が原因で生じる血圧の急激な変化が引き起こす健康被害のこと。日本では交通事故死者数の4倍以上がヒートショックで亡くなっています。そして、世界的にも日本はヒートショック大国。日本の家の寒さは健康被害にも現れています。
また、山梨県は都道府県別の冬季死亡増加率がワースト3。山梨の家は健康的な家とは言え無さそうです。

寒い暑いで後悔

業界専門誌が注文住宅を建てた経験のある人に実施したアンケートによると、新築後10年以内の人の約40%、20年以上経過した人の実に70%が「寒い / 暑い、風通し、暗さ、結露」に対して後悔していると答えました。また、住宅建材メーカーのアンケートで も、こだわっておくべきだった性能として、「日当たり」「結露」「断熱性」など温熱関連の項目が上位を占めました。

以上のように、住んでからの体感も健康面からも日本の多くの家は決して理想的とは言えません。間取りや広さやデザインなどの目に見えるものが大切なのはもちろんですが、温熱環境など目に見えないものも大切。つまり「デザインと性能を両立する」というのが当社の家づくりの考え方です。

2. パッシブデザインとは

パッシブデザインとは、建物のあり方そのものをしっかり考え、建物の周りにあるエネルギーをうまく活用したり調整したりすることによって、質の高い暖かさ・涼しさを実現し、同時に省エネになることを目指す設計手法のことです。

ちなみにパッシブというのは「受動的な」という意味で、太陽・風などをうまく受動する建物にしようとする考え方です。一方で設備機器を使って暖かさや涼しさを得る方法をアクティブと表現したりします。

省エネだけを目指すのであれば、例えば太陽光発電は非常に有効です。しかし、太陽光発電をつけたからといって「暖かさ」や「涼しさ」の質は向上しません。太陽光発電は単なる発電装置ですから当然です。

また暖房機器を思うまま贅沢に使えば「暖かさ」は得られますが、たくさんのエネルギーが消費されます。一方でパッシブデザインは“建物そのもの”に様々な工夫をことで「暖かさ」や「涼しさ」を得ようとする考え方です。

機械設備に頼った場合よりも質の高い快適性とともに、健康面でのメリットも得られます。さらに、暖房・冷房に使うエネルギー消費量は大きく減り、それに比例して光熱費も安く抑えられます。この4つのメリットを住む人に感じていただきたいというのが我々がパッシブデザインに取り組む理由です。

3. 冬の暖かさを実現する 〜冬のパッシブ〜

建物の工夫によって冬の住まいを暖かくしようとする時、次の2つが何よりの基本になります。

1. 建物の中にある熱をしっかり守ること

これはつまり建物全体の「保温性能」を上げることです。そのために壁・天井・床・窓の断熱仕様を考え、一定以上の気密性能を確保します。

2. できるだけたくさんの日射を採り入れる(太陽熱)

太陽熱で暖められた部屋の心地よさは格別です。いわゆる高断熱・高気密住宅とパッシブデザインの最大の違いは、建物の性能の向上だけでなく日射など周辺環境のことも考えるところです。

4. 夏の涼しさを実現する 〜夏のパッシブ〜

賢く冷房エネルギーを削減する「夏のパッシブ」の基本は2つあります。

1. できる限り建物に日射熱を入れない(=日射遮蔽)

日射遮蔽の最大のポイントは窓です。窓から入る日射を抑えないと“夏涼しく”は決して実現できません。そのために庇や軒の仕様を考え、日除け効果の高い装置を窓まわりに設置することがポイントになります。

2. 風通しをよくする(通風に工夫する)

建物の中での風の流れを考えながら窓の配置や大きさを決めることが重要です。風通しの善し悪しは、夏だけではなく春や秋といった季節での心地よさも左右します。

5. 5つのデザイン

パッシブデザインとは断熱」「日射熱利用暖房」「日射遮蔽」「通風」「昼光利用。の5つを適切に建物に組み込む設計手法です。これらは様々なところで対立することがあるため、それをいかに解消するかがパッシブデザインの最大のポイントです。この5つの中で、冬の暖かさと夏の涼しさに直結する3つについてもう少し掘り下げてみます。

1. 断熱

断熱性能を高めることは建物全体の保温性能を向上させ、様々なメリットを与えてくれます。

  • 少ない熱で部屋を暖めることができる(省エネ性)
  • 暖房していなくても室温が一定に保たれる(快適性、健康性)
  • 暖房している部屋と暖房していない部屋との温度差が小さくなる(快適性、健康性)
  • 窓、床、壁などの表面温度が高く保たれる(快適性)

2. 日射熱利用暖房

言葉の通り、冬に日射熱を室内に採り入れて暖房に使うという設計技術です。このときに重要になるのが、日射熱を採り入れる「集熱」、入った日射熱を逃がさないための「断熱」、入った日射熱を蓄えておく「蓄熱」の3つのデザインをしっかり考えることです。この3つが高いレベルで実現できれば、快適性と省エネルギー性が極めて高い建物になります。ただし、地域によっては日射熱利用暖房があまり効果的ではない場合があったり、敷地の南側に建物などがあると冬の日射が遮られ十分な集熱ができないため、事前の検討を行うことが重要です。

3. 日射遮蔽

夏の暑い日差しを室内に入れないための日射遮へいは、夏期における快適と省エネを実現させるための基本中の基本です。平均的な性能の建物でレースカーテンを引く程度の日除けをしている状況では、夏に室内に入ってくる日射熱のうち70%程度が「窓から」になっています。したがって、この対策を考えないと確実な日射遮へいはできません。ポイントは「庇や軒を考える」「窓の外側に日除け装置を設ける」というところです。またこうしたものは外観のデザインを決めることにもなるので、設計段階でしっかりと検討します。

6. 目指す住み心地

1. 健康から考える目標室温

冬は18℃以上、夏は28℃以下を目標室温とします。これは、かなり高いレベルでパッシブデザインを取り入れたとしても無暖房、無冷房では実現困難な室温です。したがって、空調が必要になります。

2. 空調の考え方

機器代と取付け工事代を足したイニシャルコストと電気代や燃料代のランニングコストがどちらも安く、更には暖房・冷房・除湿の1台3役ができることから、エアコンの費用対効果は空調機器の中では最高といえます。
また、床下や小屋裏に設置することで、さらなる快適性と省エネ性を発揮することも可能です。
エアコン以外の暖房では、薪ストーブやペレットストーブが省エネ性と空間演出性の面で優れていると言えます。

7. シミュレーション

パッシブデザインの計画において最も大切なのがシミュレーションです。間取りや素材と違って目に見えない家の性能を造る側も住む側も互いにしっかり理解し家づくりの成功確率を高めることに繋がります。
当社ではしっかり時間をかけて次の3つのシミュレーションを行っています。

1. 日照シミュレーション

土地の日当たり3Dモデルを使って確認し、土地のどこに建物を建てればより多くの日射を取り込み暖かい暮らしが実現できるかを検討します。

2. 室温シミュレーション

無暖房、無冷房での室温をシミュレーションし、少ない空調で健康で快適に暮らせるかをチェックします。

3. 光熱費シミュレーション

光熱費が抑えられることもパッシブデザインのメリットのひとつです。光熱費シミュレーションによって、建築コストだけでなく、光熱費も含めたトータルコストで家づくりをとらえることができます。
■画像:光熱費シミュレーション

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